Xenium In Situ

 

  • Xeniumで解析後の組織切片を用いて、H&E染色やVisiumによる空間的遺伝子発現解析を実行することも可能です。
  • 空間解像度:XY方向は30 nm未満、Z方向は100 nm未満(転写物の局在精度)
  • 検出遺伝子数:
    Xenium v1:最大480遺伝子+100カスタマイズ
    Xenium Prime 5K:5000遺伝子+100カスタマイズ

Xenium In Situ はFFPE切片または新鮮凍結切片に対して空間的トランスクリプトーム解析を行います。
Padlock probeと呼ばれるターゲットとなる遺伝子に相補的な配列を両端に持つプローブ(①②)を使用することで、ターゲットの遺伝子に正しくハイブリダイゼーションしたプローブだけがプローブ両端のライゲーション(③)によりサークルを形成します。

サークル状になったプローブに対してローリングサイクル増幅反応をかけることで蛍光物質の結合サイト(④)を多数持つ長鎖DNAが生成されます。

結合サイトに蛍光物質のついたプローブをハイブリダイズします。Xenium Analyzer で蛍光を解析し、ターゲット遺伝子の発現を高い感度と特異性で検出することが出来ます。

ご要望に応じて、切片作製や、カスタムプローブ作製支援も行います(料金別途)。

解析可能なサンプル

サンプル新鮮凍結OCT包埋サンプル(FF)
ホルマリン固定パラフィン包埋サンプル(FFPE)
動物種ヒトまたはマウス
( Xenium v1 全生物種最大480遺伝子フルカスタム可能 *)
解析メカニズム数百~最大5千遺伝子をターゲットとするトランスクリプトームパネルを使用して組織中の発現遺伝子を検出する
サンプル受け入れ条件詳細情報ページにまとめております。

*

ヒトまたはマウス以外の場合は事前にご相談ください

解析例

10xGenomics:Xenium_Human Pancreas cancer データ例
Xenium Explorer操作画面例

プローブセットについて

Xenium In Situでは事前に検証された遺伝子パネルセットを使用することが出来ます。
設計済みパネルに無い遺伝子等を目的とする場合にはカスタムパネルを設計することも可能です。

設計済みパネルと主なターゲットについては詳細情報ページをご確認ください。

納品物

  • Xenium Analyzer 出力データ
    • analysis_summary
    • Xeniumファイル
      など
  • 情報シート
    (解析方法や使用試薬などをまとめたもの)
  • (H&E染色を委託した場合)画像データ
    • H&E染色画像ファイル

料金・納期

受託内容金額(税別)おおよその納期
Xenium v1
(スライド2枚分。パネル費用除く)
1,800,000円6週間
パネル費用
(Xenium v1、スライド2枚分)
74,000円 〜お問い合わせください
Xenium Prime 5K
(スライド2枚分。パネル費用込み)
4,480,000円 6週間
Xnium Prime 5K  相乗り
(スライド1枚分。パネル費用込み)
2,450,000円 お問い合わせください
オプション金額(税別) おおよその納期
HE染色オプション
Xenium解析実施後に同じスライドガラスを使用してHE染色を実施します。染色像はXenium Explore を使用してXenium解析の結果と重ね合わせることができます。
5,000円/スライド
Multimodal Cell Segmentationオプション
(Xenium v1専用。Prime 5Kでは標準)
細胞膜や細胞質を染色する試薬キットを追加で使用することにより、より正確に細胞境界を決定することが可能になります。
詳しくは詳細情報ページをご確認ください
398,000円
Xenium v1 追加カスタムパネル
1〜50遺伝子(4反応または16反応)
51〜100遺伝子(4反応または16反応)
781,000円 〜 2ヶ月程度
Xenium Prime 5K 追加カスタムパネル
1〜50遺伝子(12反応)
51〜100遺伝子(12反応)
860,000円 〜 2ヶ月程度
アドバンスドパネル設計費用
(フルカスタムパネル最大480遺伝子)
322,000円 〜 6週間程度
カスタムパネル設計オプション
カスタムパネルの設計方法が分からない場合にお客様とコミュニケーションを取りながら設計を代行します。
お問い合わせください

ご依頼前のチェック項目

サンプル受け入れ条件、事前ご確認事項を「詳細情報」ページにまとめておりますので、ご確認ください。

よくあるご質問

切片の貼り付け面積、解析可能領域のサイズを教えてください。

Xenium In Situ専用スライドを使用します。イメージング可能領域は10.45mm x 22.45mm、貼り付けられた切片は解析領域内に収まっていれば全て解析されますので、複数個のサンプルを同時に貼り付けて解析することができます。

受託時のカスタムパネル使用について

カスタムパネルの設計はお客様自身でターゲット遺伝子を選択し、10x Genomics社に発注していただきます。通常カスタムパネルの設計から納品までは3ヵ月程度かかりますので余裕を持って実験計画を建てていただきますようお願いします。

カスタムパネルに追加する遺伝子はプローブの発現量が高過ぎると蛍光が飽和(Optical crowding)し発現細胞からの遺伝子検出が難しくなります。また、発現の低い遺伝子も検出が難しくなります。カスタムパネルの設計にあたっては対象組織のシングルセル解析による遺伝子発現のデータを参照し、カスタムパネルに含まれる遺伝子の発現量を確認することが推奨されます。

カスタムパネル設計のフローや注意点などは下記のサイトをご参照ください。
https://www.10xgenomics.com/jp/support/in-situ-gene-expression/documentation/steps/panel-design/xenium-panel-getting-started

弊社のバイオインフォマテシャンによるカスタムパネル作製支援も可能です。お気軽にお問い合わせください。

解析検体の品質に条件はありますか。

10x Genomics社では、事前にDAPI染色、HE染色、およびDV200によるサンプル品質チェックを行うことが推奨されています。弊社では、In situ hybridization(ISH)を用いてサンプルとなる組織切片を検査し、一定程度のRNAが分解されずに残っていることを事前に確認することをお勧めしています。

納品物は何でしょうか。

Xenium Analyzerから出力されるファイルを納品します。

データ保管について

解析データやお客様のサンプル情報等は納品後、3ヵ月まで当社内で保管しています。3ヵ月を経過すると廃棄しますので、予めご了承ください。