シングルセル遺伝子発現

 

  • 同一細胞内のmRNA発現を同定可能
  • 希少な細胞種やmRNA発現を検出
  • 細胞の不均一性を解析

シングルセル遺伝子発現では個々の細胞にそれぞれ異なるバーコードを付与することで、細胞ごとの遺伝子発現を調べることができます。標準的なRNA-Seqでは全細胞における平均的な遺伝子発現を検出するのに対し、シングルセル遺伝子発現では、細胞ごとのmRNA遺伝子発現を高感度に検出することが可能です。

  • 10x Barcode: 各細胞の転写物に付加されるユニークなタグで、1細胞ごとに識別。
  • UMI: Unique Molecular Identifierの略。各転写物にユニークなタグで、各遺伝子の発現量を正確に定量する。
  • Poly(dT): mRNAの3’末端のpolyA鎖を捕捉する配列。

解析可能なサンプル

サンプル凍結細胞
凍結していない生細胞についても出張にて対応が可能です
動物種全生物種
植物等の細胞壁を有する生物種は細胞壁を除きプロトプラストにする必要があります
解析メカニズムPoly dTで3’末端側からキャプチャーしライブラリを作製します。
サンプル受け入れ条件詳細情報ページにまとめております。

解析例

Cellrangerによる解析結果をLoupe Browser 8.0で開いたところ。

納品物

委託範囲により下記のようになります。

当社がシーケンスを行う場合

  • Fastqデータ
  • Cell Ranger解析結果
    • Web Summary
    • cloupeファイル
    • Matrixファイル
    • csvなど
  • 情報シート
    (解析方法や使用試薬などをまとめたもの)
  • 実験情報まとめ
    (細胞数や生存率cDNAやライブラリの測定結果)

お客様がシーケンスをされる場合

  • ライブラリー
  • 情報シート
  • 実験情報まとめ

料金・納期

細胞種や解析内容によっては、上下することもございます。

受託内容金額(税別おおよその納期
Chromium GEM-X Single Cell 3’RNA-seq
(実験+シーケンス+解析)
¥925,0006週間

組み合わせ方を自由に、必要な工程だけをご依頼いただくことも可能です。

「サンプル調製からライブラリ作製まで」「cDNA合成後から」「シーケンスのみ」など、工程の一部のみの受託も承っております。詳しくは詳細情報ページをご確認いただくか、お問い合わせください。

  • サンプル調製
  • ライブラリー作製
  • シーケンス
  • 解析
オプション金額(税別
出張による新鮮細胞からの実験対応オプション
細胞数が少ない場合や凍結すると生存率が低くなる場合、機器を貴研究室に持ち込み、新鮮細胞からシングルセル化を行います。
お問い合わせください
(要交通費実費)
サンプル混合オプション(hasgtag抗体)
複数サンプルを混ぜて解析することが可能です。1サンプルあたりの細胞数は減りますが解析コストを抑えることが可能です。
お問い合わせください
CITE-seqオプション(表面タンパク質検出)
シングルセルレベルで細胞表面タンパク質の検出を行うことができます。
お問い合わせください
死細胞除去オプション
生存率が低いサンプルに対し、FACSによる死細胞除去を実施します。
¥50,000
核抽出オプション
組織や細胞から核を抽出し、シングル核RNA-seqを実施できます。凍結組織の場合はシングルセル遺伝子発現Flexもご検討ください。
細胞:¥60,000
組織:¥120,000

オプションに関する詳細を、詳細情報ページにまとめております。

ご依頼前のチェック項目

サンプル受け入れ条件、事前ご確認事項を「詳細情報」ページにまとめておりますので、ご確認ください。

よくあるご質問

シングルセル遺伝子発現と、標準的なRNA-seqの違いは何ですか。

標準的なRNA-seqは、全細胞の平均的な遺伝子発現量を検出するのに対し、シングルセル遺伝子発現は細胞1つ1つの遺伝子発現量を検出することができます。このことにより、細胞集団、細胞種、細胞状況及びさらに多くの情報を個々の細胞レベルで特性化できます。不均一な試料中における細胞間遺伝子発現変動性を明らかにし、希少な細胞種を特定することで、発生及び疾患における細胞寄与をより明らかに同定できます。

どのくらいの細胞数・遺伝子数を検出することができますか。

最新の10x Genomics社のアプリケーションでは、最大で20,000細胞、3,000遺伝子を検出することが可能です。ただし細胞の種類や状態、シーケンス条件により変動します。

シングルセル遺伝子発現では、どの領域を読むのでしょうか。

10x Genomics社のシングルセル遺伝子発現アプリケーションでは、3’領域をシーケンスすることで、シーケンスコストを抑えています。また、レパトア解析に用いられるアプリケーションでは、5’領域をシーケンスします。

どのような検体を提出すればよいですか。

凍結した細胞を、ドライアイスを入れた状態でお送りください。1サンプル当たり、100万細胞、生存率80%以上を条件としています。この条件以外のサンプルを希望される場合は、お問い合わせからご相談ください。

納品物は何でしょうか。

お客様がシーケンスをされる場合、ライブラリーを作製しお送りします。当社がシーケンスをする場合、シーケンス結果のFastqファイルとCell Ranger(解析ソフトウェア)での解析結果のデータをお送りします。

FACSやCITE-seqなどのオプション実験を追加することはできますか。

可能です。当社ではFACSを始めとした、最新の機器を揃えております。ご希望の実験をお問い合わせからご相談ください。

自分でシーケンスする場合、シーケンスの条件はどのようにしたらいいでしょうか。

10x Genomics社のシングルセル遺伝子発現アプリケーションでは、以下の条件でのシーケンスが推奨されています。

リード数:20,000リード以上/細胞
Read 1:28 cycles
i7 Index:10 cycles
i5 Index:10 cycles
Read 2:90 cycles

データ保管について

解析データやお客様のサンプル情報等は納品後、3ヵ月まで当社内で保管しています。3ヵ月を経過すると廃棄しますので、予めご了承ください。