- 凍結組織やFFPEブロックからシングルセル解析が可能に
- 細胞・組織を固定することで、解析したいタイミングを逃さない!
- Multiplex解析で検体あたりの費用を抑えつつ、多検体解析に対応
シングルセル遺伝子発現Flexは固定した細胞に異なるバーコードがついたプローブをハイブリダイゼーションし、このプローブを検出することで多検体の同時解析が可能なサービスです。従来のシングルセル解析では難しかった凍結組織やFFPEブロックからのシングルセル解析や、壊れやすい細胞やターンオーバーの早い細胞にも対応できます。また、多検体を同時に解析することができるプローブを採用しており、サンプルあたりのコストが下がりリーズナブルな価格でのご提供が可能となりました。
- Hybridization: 相補的な一本鎖から二重らせん分子(ここでは、DNA-RNA)を形成させること。
- pRead2S: partial Read 2Sの略。
- LHS: left hand sideの略。左側のプローブ。
- RHS: right hand sideの略。右側のプローブ。
- Probe BC: プローブ内のバーコード。
- pCS1: partial capture sequence 1の略。Gel-beads側にある相補的な配列を認識する。
- 10x Barcode: 各細胞の転写物に付加されるユニークなタグで、1細胞ごとに識別。
- UMI: Unique Molecular Identifierの略。各転写物にユニークなタグで、各遺伝子の発現量を正確に定量する。
解析可能なサンプル
サンプル | 凍結細胞 凍結組織* 固定細胞 固定組織 ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプル |
---|---|
動物種 | ヒトまたはマウス |
解析メカニズム | 全トランスクリプトームパネルのそれぞれの標的遺伝子に対するプローブを使用して発現遺伝子を検出する |
サンプル受け入れ条件 | 詳細情報ページにまとめております。 |
*
凍結組織は液体窒素気相保管が推奨されています。-80℃で保管された組織はmRNAの品質が低下します。組織の液体窒素保管が難しい場合はあらかじめ固定した上で-80℃で保管することをお勧めします。
解析例
Cellrangerによる解析結果をLoupe Browser 8.0で開いたところ。
- Loupe Browser(無償)のダウンロードはこちら(10x Genomics サイトへ飛びます)
- 10x Genomics が提供している解析例(10x Genomics サイトへ飛びます)
- 二次解析については、バイオインフォマティクス情報解析のページをご確認ください
納品物
委託範囲により下記のようになります。
当社がシーケンスを行う場合
- Fastqデータ
- Cell Ranger解析結果
- Web Summary
- cloupeファイル
- Matrixファイル
- csvなど
- 情報シート
(解析方法や使用試薬などをまとめたもの) - 実験情報まとめ
(細胞数や生存率cDNAやライブラリの測定結果)
お客様がシーケンスをされる場合
- ライブラリー
- 情報シート
- 実験情報まとめ
料金・納期
細胞種や解析内容によっては、上下することもございます。
受託内容 | 金額(税別) | おおよその納期 |
---|---|---|
Flex(Fixed RNA Profiling) | 1サンプル:¥880,000 4サンプル:¥1,720,000 | 6週間 |
他サンプル数の場合、お問い合わせください。
オプション | 金額(税別) |
---|---|
細胞固定 | サンプル当たり¥45,000 |
組織分散(10x試薬固定) | サンプル当たり¥40,000 |
組織分散(FFPE) | サンプル当たり¥64,000 |
全血固定(PBMC、白血球) | サンプルあたり ¥12,000 |
ご依頼前のチェック項目
サンプル受け入れ条件、事前ご確認事項を「詳細情報」ページにまとめておりますので、ご確認ください。
よくあるご質問
通常のシングルセル解析とどう使い分けますか?
組織を解析されたい場合にはサンプル準備が簡便なFlexをお勧めします。多検体をまとめて解析したい場合にもFlexはコスト面で大きなメリットがあります。
解析対象の細胞数が非常に少ない場合、固定により解析対象の細胞が失われる可能性が高く、通常のシングルセル解析をお勧めいたします。
ヒト、マウス以外の生物種についてはFlexは対応できませんので通常のシングルセル解析をご選択ください。また、全長配列を必要とするレパトアや、遺伝子変異の検出も対応しておりません。
Multiplexは異なる組織のサンプルも同時に解析できますか?
同一生物種(ヒト又はマウス)であれば混ぜることは可能ですが、細胞の大きさが極端に異なる場合はプローブハイブリダイゼーション後の洗浄工程で細胞集団やサンプルの偏りが生じることがあります。
どのくらいの細胞数を解析することができますか?
1サンプルあたり最大8,000細胞の解析が可能です。
どのような検体を提出すればよいですか。
Enhancer(10X Genomics社の固定試薬キットに含まれています)およびGlycerolを加えて凍結した固定組織、固定細胞又は固定核をドライアイスを入れた状態でお送りください。FFPE切片をお送りいただく場合は保冷剤を入れクール便でお送りください。1サンプル当たり、150万細胞以上が条件です。凍結細胞をお送りいただく場合は、1サンプル当たり200万細胞、生存率80%以上が条件です。この条件以外のサンプルを希望される場合は、お問い合わせからご相談ください。
組織の固定はどうすればいいですか?
組織は生または液体窒素保管された組織を用いて、10x GenomicsのChromium Next GEM Single Cell Fixed RNA Sample Preparation kitを使用して固定してください。固定のプロトコルはこちらをご参照ください。
納品物は何でしょうか。
お客様がシーケンスをされる場合、ライブラリーを作製しお送りします。当社でシーケンスをする場合、シーケンス結果のFastqファイルとCell Ranger(解析ソフトウェア)での解析結果のデータをお送りします。
自分でシーケンスする場合、シーケンスの条件はどのようにしたらいいでしょうか。
10x Genomics社のシングルセル遺伝子発現アプリケーションでは、以下の条件でのシーケンスが推奨されています。
リード数(遺伝子発現ライブラリー):10000ペアリード以上/細胞
リード数(タンパク質発現ライブラリー):5000ペアリード以上/細胞
Read 1:28 cycle
i7 Index:10 cycle
i5 Index:10 cycle
Read 2:90 cycle
データはどのように保管されますか。
解析データやお客様のサンプル情報等は納品後、3ヵ月まで当社内で保管しています。3ヵ月を経過すると廃棄しますので、予めご了承ください。