Xenium In Situの詳細情報

サンプル受け入れ条件

  • 専用の Xenium slide の表側に切片を貼り付けていること
  • Fiducial(解析エリアの外側にある+マーク)に切片が重なっていないこと *1
  • 切片の厚さ
    • OCT包埋された新鮮凍結切片:10μm厚
    • FFPE切片:5μm厚
  • 事前に別途切片を作製し、次に示す方法を用いてQCを終えていること
    注)事前確認は通常のスライドガラスに貼り付けて実施してください
    • In situ hybridization (ISH)による組織切片上での検出可能なRNAの量を確認する(推奨)
    • DV200測定
    • HE染色
    • DAPI染色

*1

+マークは撮影時のオートフォーカスに必要ですので+マークに被らないように切片を貼ってください。

肉眼では非常に見づらいため十分にご注意ください。

プローブセットについて

Xenium In Situでは事前に検証された遺伝子パネルセットを使用することが出来ます。
設計済みパネルに無い遺伝子等を目的とする場合にはカスタムパネルを設計することも可能です。

設計済みパネルと主なターゲットは以下の通りです。

Xenium v1 Xenium Prime 5K
ヒト
  • 腫瘍免疫:免疫細胞、チェックポイント等(380遺伝子)
  • 多組織・がん:乳房、結腸、心臓、腎臓、肝臓、肺、膵臓などの遺伝子マーカー(377遺伝子)
  • 乳腺:乳腺細胞、上皮細胞、脂肪細胞、腫瘍など(280遺伝子)
  • 脳:アストロサイト、ミクログリア、膠芽腫、アルツハイマー病、パーキンソン病など(266遺伝子)
  • 肺:I型&II型肺胞上皮細胞、線毛細胞、内皮細胞、COVID-19など(289遺伝子)
  • 大腸:吸収上皮細胞、内分泌細胞、杯細胞、パネート細胞、線維芽細胞など(325遺伝子)
  • 皮膚:ケラチノサイト、メラノサイト、血管内皮、メラノーマなど(282遺伝子)
Human Pan Tissue & Pathways Panel
マウス
  • 脳:アストロサイト、インターニューロン、ミクログリア、オリゴデンドロサイトなど(247遺伝子)
  • 組織アトラス:膀胱、骨髄、脳、心臓、腎臓、四肢筋、肺、膵臓、胸腺などの遺伝子マーカー(379遺伝子)
Mouse Pan Tissue & Pathways Panel
他の生物種

フルカスタム最大480遺伝子

(アドバンスドパネル別途設計料金が必要)

対応不可

10x Genomics社のHPから各パネルの遺伝子リストをダウンロードすることが出来ます。

お客様の興味ある遺伝子が含まれているか十分に確認し、必要に応じてカスタムプローブの追加(各パネルに最大100種類のプローブを追加することが可能です)をご検討ください。

カスタムプローブのデザインから受け取りまでには3ヶ月程度の時間がかかるため、お急ぎの場合にはお気をつけください。

Xenium prime 5kはXenium v1より単位面積あたり平均 5 倍の転写物が検出できる

 

*Xenium Prime 5Kテスト済み組織

*10x Genomics社内資料2024年6月時点

Cell Segmentationについて

Xenium In SituではDAPI染色した核の位置情報を起点として機械学習により細胞の領域を予測していましたが、Cell Segmentation試薬オプションが追加されました。 (Prime 5Kでは標準。v1ではオプション)

詳細情報を10xGenomics HPからご覧ください。

サンプル送付の注意事項

サンプル送付の際には以下の点を確認の上お送りください

  • 送付時期について事前に弊社へお知らせください。
  • サンプルを搭載したスライドガラスは50mL遠沈管等の密閉容器に入れて送付してください。
  • 遠沈管には乾燥剤(シリカゲル)をサンプルに直接当たらないように入れてください。
  • (FFPEの場合)発泡スチロール容器に保冷剤と同梱の上クール便にてお送りください。
  • (新鮮凍結・FxFの場合)発泡スチロール容器にドライアイスと同梱の上冷凍便にてお送りください。

剥がれやすいサンプルについて

皮膚のように脂肪の多い組織は剥がれやすいサンプルの一つです。新鮮凍結の場合は特に剥がれやすいためFFPEでの実施をお願いします。

サンプル調製のフロー

10x Genomic社のXenium In Situ Gene Expression Reagent Kitsを使用し以下のフローでサンプルを調製します。