進行中およびこれまでの臨床研究

【PCRD²】自己免疫疾患の特異的免疫状態の研究

PCRD2は、国立大学法人東京大学と、RareS.(レアズ)を運営する3Hホールディングス株式会社が共同で行う患者さん中心の医薬品開発の推進を目的とした「患者中心主義に基づく希少疾患研究開発プログラム(Patient Centricity in Rare Disease R&D Program 略称:PCRD2 )」です。(詳しくはこちら

研究概要

研究名称:自己免疫疾患の特異的免疫状態の研究
対象疾患:ベーチェット病、強直性脊椎炎、多発性筋炎・皮膚筋炎、成人スティル病、急速進行性糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、関節リウマチ
※定員に達したため全ての疾患の募集を中断しております(2019/9/29時点)
研究責任者:KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社

研究の目的・意義・予測される研究の成果など

免疫細胞(今回は T 細胞や B 細胞を調べます)は、自己免疫疾患における疾患の発症や病気の進行に深く関わっていると同時に、がん・感染症など、多くの病気に重要な役割を果たしています。
私たちは、病気に関係した T 細胞と B 細胞の手足として重要な役割を担っている免疫細胞受容体(T 細胞受容体・B 細胞受容体と言います)の機能を解析する事で、

  1. 疾患の原因が明確でない「希少難治性自己免疫疾患」の原因を明らかにし、新しい治療薬創成を推進します。
  2. 治療薬の存在しない「希少難治性自己免疫疾患」に関して、すでに別の病気で有効な治療薬の活用を探ります。

私たちが今回皆さんとの共同研究で分析を行うのは、皆さんの血液の中に含まれる免疫細胞(T細胞とB細胞と言います。)の受容体になります。
受容体の種類は10の18乗個と言う、天文学的な種類になります。その受容体は右手と左手のように協力して働きます。ピアノの演奏に例えるならば、左手でコード和音を弾いて、右手でメロディーを奏でることで曲を演奏しますが、演奏できる曲の数は受容体の種類、つまり10の18乗の曲の数だけ、人はレパートリーを持っています。今回の研究は、そのレパートリーを調べる研究になります。(免疫レパトアと言います。)

曲にはそれぞれイメージがあるように、免疫細胞は普段の時は穏やかな曲、外敵が来たときは戦闘の曲を演奏します。自己免疫疾患の時には、体内に外敵となるバイ菌やがん細胞が居ないのに、戦闘の曲を弾く免疫細胞が増えて、自分の細胞を攻撃してしまう状態になっています。私たちはその細胞を特定して、演奏を辞めてもらい、穏やかな曲を演奏してもらう方法を探します。

逆にがんの時は、がん細胞に免疫細胞が騙されて攻撃しなくなっている状態になるので、正しく戦闘の曲を弾かせて、がん細胞を攻撃出来るようにします。

この「免疫レパトア」の研究は最新のもので、多くの「希少難治性自己免疫疾患」に罹患されている患者の皆さんと共同研究を行わせていただく事で、多くの患者さんに役に立てる研究成果を挙げて、新薬の創成につなげて参ります。

患者さんから提供いただきたい検体等の種類・情報の項目

健康診断で採血する量と同じくらいの血液(10ccほど)

研究方法

血液に関して、免疫細胞(T細胞 B細胞)を分離して、免疫細胞の受容体(右手:TCR・BCR、 左手:HLAと言います)の遺伝子配列を分析。皆さんの血液の中で活動している、免疫のレパートリーの状態を調べます。
この様な調査により、すでに世の中にある薬の中で、皆さんの病気に使える可能性のある薬を探ります。さらには新しい治療薬の創成につなげます。

検体等の使用への同意の撤回について

今回の共同研究をやめたい時は、いつでも共同研究を中止していただくことが出来ます。その場合は、いただいた血液などのサンプルは破棄し、皆さんの情報や研究で分析した結果も全て破棄いたします。

<連絡先:RareS.(レアズ)お問合せ窓口:0120-330-800(平日:10:00~18:00)>に同意を撤回し、共同研究を中止したい旨をご連絡ください。共同研究の同意を撤回されて中止されても、皆さんの不利益になる事は一切ありません。
ただし、今回の共同研究の成果や、最新の研究情報のフィードバックは出来なくなる事をご了承ください。

患者さんに提供可能な研究成果

この試験から得られた結果の総括として、試験に参加された皆さんの免疫に関する疾患ごとの類似性や違い(大まかなプロフィール)について、希望する方には解析が終了した後に、お伝えいたします。

今回の共同研究は、皆さんの治療薬を一緒に見つけて行くための第一歩になります。今回の共同研究期間は短く予備的なものになりますが、長期的に皆さんに病気を治療する新薬を見出すのみならず、どの様な生活習慣や既存の治療薬で皆さんの状態が安定できるかに関しても、今後は長期的に皆さんと共同研究を行いたいと思っております。

今回の研究に参加いただける方の条件

  • 18歳以上の方
  • 対象疾患に罹患しており、現在治療中の方
  • ご自身が対象疾患に罹患していることを証明できる書類をお持ちの方
  • 検体採取会場である東京センタークリニック(最寄り:東京駅)への来院が可能な方

対象疾患:ベーチェット病、強直性脊椎炎、多発性筋炎・皮膚筋炎、成人スティル病、急速進行性糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、関節リウマチ
※定員に達したため全ての疾患の募集を中断しております(2019/9/29時点)

研究への参加の流れ

皆様のご協力により、現在全ての疾患において予定人数に達したため募集を中断いたしました。
今後、募集を再開する場合や、他の疾患の方を対象にした研究が新たに開始される可能性がございますので、もしよろしければ意識調査へのご協力及び事前登録へのご協力をお願い致します。

お問い合わせ

本研究に関することは下記の電話番号またはメールアドレスまでお問い合わせください。

難病・希少疾患情報サイト RareS.(レアズ) 運営事務局

  • 電話番号:0120-330-800(平日:10:00~18:00)
  • メールアドレス:info@raresnet.com

※ お問合せの際は『PCRD2の自己免疫疾患研究について』とお伝えください。