塩野義製薬とKOTAI社が共同で行うユニバーサルサルベコウイルスワクチンの抗原デザイン研究における良好な進捗について
塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長 CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」)とKOTAIバイオテクノロジーズ株式会社(本社:大阪府吹田市、代表取締役:山下 和男、以下「KOTAI社」)は共同で実施しているユニバーサルサルベコウイルス1ワクチンの抗原デザイン研究について、両社で事前に設定した中和抗体誘導能に関するクライテリアを達成しましたので、お知らせいたします。
本共同研究で見出されたユニバーサルサルベコウイルスワクチンとは、サルベコウイルス間で相同性が高く、変異が起きにくい領域に対する中和抗体を選択的に誘導することができる抗原を用いたワクチンです。したがって、このワクチンは、今後起こりうる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の免疫回避をする変異株だけでなく、サルベコウイルスを起点とする新たなパンデミックに対する備えとして期待されています。本共同研究では、次々と変わりゆく変異株をその都度追い続けるのではなく、今後出現する可能性のある変異株、さらにはコロナウイルスによる次のパンデミックに対しても有効なワクチン抗原の創製を目指しています。
本共同研究において、事前に設定した中和抗体誘導能のクライテリアの達成に伴い、KOTAI社は塩野義製薬よりマイルストンを受領いたします。なお、本共同研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMEDa)の先進的研究開発戦略センター(SCARDAb)が公募したワクチン・新規モダリティ研究開発事業に採択2され、資金の提供を受けて実施しています。
塩野義製薬とKOTAI社は、SCARDAの支援のもと、感染症領域における塩野義製薬の強みと、免疫やタンパク質構造の情報解析のスペシャリストであるKOTAI社の強みを融合することで、本ワクチンの研究開発を加速し、世界中の患者さまのもとにいち早くお届けできるよう、継続して取り組んでまいります。
以 上
- サルベコウイルス亜属:コロナウイルス科ベータコロナウイルス属に属するウイルスの一群。SARS-CoV-2やSARSコロナウイルスはサルベコウイルス亜属に属しています。
- 2022年6月30日:プレスリリース
- AMED : Japan Agency for Medical Research and Development
- SCARDA : Strategic Center of Biomedical Advanced Vaccine Research and Development for Preparedness and Response
【SCARDA】
SCARDAは2021年6月に閣議決定された「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に基づき、感染症有事においては国策としてワクチン開発を迅速に推進するため、平時からの研究開発を主導する体制として、2022年3月にAMED内に新設された組織です。ワクチン開発に関する広範な情報収集・分析を実施し、戦略性を持った研究費のファンディングへと繋げ、ワクチン・新規モダリティ研究開発事業、及びワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業を行っています。詳細はAMEDのウェブサイトをご覧ください
【KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社】
KOTAI社は大阪大学での研究成果を基礎に、2016年に設立されたバイオテクノロジー企業です。免疫やタンパク質構造の情報解析における専門家集団として、多くの研究機関・大学や製薬企業等と共同で研究開発を行っています。詳細はKOTAI社のウェブサイトをご覧ください。
【塩野義製薬株式会社】
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。社会の安心・安全の回復に貢献するとともに、新たな変異株の出現や今後の流行状況に合わせ、必要とされる治療薬、ワクチンを迅速に提供できるよう、研究開発を推進してまいります。詳細は塩野義製薬のウェブサイトをご覧ください。
[お問合せ先]
塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.